イノベーティブな組織PDF版はこちら 経済紙誌において、企業組織のあるべき形態やリーダーシップ論の新しい考え方に関わる記事が、特に先月以降散見されるようになった。いずれにも共通する前提となる文脈は、新しい知と知の組み合わせによる「イノベーション創出」があらゆる企業に求められているということだ。それは、企業の「組織論」をアップデートすることなしでは、イノベーティブな思想が育まれにくい時代であることを示唆するものであった。従来良しとされていた「均質性」を帯びた組織では、意思疎通がしやすい反面、創造性に欠けるという指摘に基づくものだ。 日本企業に求められている組織づくりの考え方といえば、「ダイバーシティが重要」とするものが一般化してきている。しかし、ダイバー...30Oct2018
宿泊だけで社会貢献PDF版はこちら 先月仙台で開催された日本心理学会において、川畑秀明・慶応大教授らのグループが「泊まりたい宿は何によって決まるか?」と題する研究を発表した。「どのような宿に泊まりたいか」という宿泊先に求めるイメージと、「どのような宿であることが重要か」という宿泊ニーズに至る心理構造について明らかにすることを目的としているという。男女1,400人へのアンケート結果から、イメージ・ニーズとも、観光動機によって大きく影響を受ける可能性があることを示し、加えて利便性の必要有無は心理状態に左右されることなどが示された。そのなかで注目したのは、「観光や宿泊は現実世界と切り離された特別な体験であると考えられるが、親近性や娯楽性といったイメージが求...16Oct2018REVIEW